マシニングセンタによる加工を行うにあたり、「マシニングセンタの加工効率を上げたい」「外注で治具を製作したいものの、何を伝えたら良いかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。こちらの記事では治具の役割や基本的な構造、外注する際に確認しておきたいポイントなどをまとめました。
マシニングセンタ加工時に治具を導入することによって、さまざまなメリットが期待できます。ここでは、治具を導入する具体的なメリットと、治具の基本的な構造についても紹介します。
マシニングセンタ加工を行う際に治具を導入すると、生産性と品質の向上が期待できます。たとえばワークを定位置に素早くセットできることから芯出しや水平出しなどを行う段取り時間を短縮することが可能です。
さらに作業者の熟練度に依存せず、常に同じ位置決め精度を再現できることからヒューマンエラーや加工のばらつきの発生を防止して、安定した品質に繋げられます。
マシニング用治具は、主に3種類の要素で構成されています。
1つ目は、マシニングセンタのテーブルに固定する台座であるベース部、2つ目はワークを正確な位置に収めるための位置決め部(ロケート)、3つ目は切削加工を行う際の大きな負荷に耐え、ワークが飛んだり動いたりしないように強力・均一に保持する機構であるクランプ部という要素を基本としています。
マシニングセンタで用いられる治具は、いくつかの種類に分類することができます。ここでは、「駆動方式による分類」「用途による分類」について解説していきます。
駆動方式は、「手動治具」と「油圧・空圧治具」の2種類に分けられます。手動治具はボルトやクランプ等が該当し、小ロット・低コスト向けであるといえます。また、油圧・空圧治具はボタンひとつで簡単に着脱ができ、作業者による締め付け力のばらつきを解消してクランプ力の一定化が可能。量産加工や自動化(ロボット搬送等)を行う際に不可欠であるといえます。
治具は用途による分類も行うことができ、「専用治具」と「汎用・モジュール治具」に分けることができます。
専用治具は特定のワーク専用として用いられているものであり、それぞれの加工内容に合わせて特注設計されるため、しっかりと保持できる点に加えて段取り時間を短くすることに優れています。
対して汎用・モジュール治具は、基準プレートやブロック等を組み合わせて構成されており、ワークを変更した際にも部品のみを組み替えることで柔軟に対応ができるため、コストの削減につながります。
外部に治具の製作を依頼する際には、前もって整理しておくべきチェックポイントがいくつかあります。ここでは、「ワーク(被削材)情報の明確化」「使用するマシニングセンタの仕様情報」「生産計画と要求仕様の提示」という部分について解説していきます。
治具の製作を外注する際には、対象ワーク(被削材)の詳細情報を明確にし、外注先と共有することが必要です。たとえばワークの図面(CADデータ)や材質、歪みやすさに加えて、図面における形状の誤差を許容する範囲を示す幾何公差、前工程と後工程の状態といった内容が挙げられます。このような情報を外注先と共有することによって、要求する精度を満たした治具設計が可能となります。
いくら高精度な治具を製作したとしても、既存設備に搭載できなければ意味がありません。そのため、外注する際には使用するマシニングセンタの仕様を整理してください。具体的には、「テーブル寸法」「T溝ピッチ」「主軸の可動域(ストローク)」「ATC(自動工具交換)干渉領域」、テーブルの耐荷重といった部分も事前に確認しておきます。
治具の機構・コストの妥当性を判断するために、生産計画と要求仕様についても具体的に提示を行います。「月産何個か」といった生産ロット数や目標サイクルタイムを伝えることによって、クランプから加工までの一連の流れを含めた最適な治具形状などの検討を行えるようになります。そのほか、使用する切削油の種類や吐出圧力といった切削条件についても共有しておくことが推奨されます。
治具製作メーカーを選ぶ場合には、3つの観点について確認します。
1つ目は、構想設計から製作・試作まで一貫した対応が可能かという点です。図面がない段階でも「このようなワークを削りたい」といった要望から、構造の提案を行える技術力があるか、という点を確認します。2つ目は、マシニング加工と切削抵抗に対する深い知見があるかという点です。単純にワークを固定するだけではなく、切削粉(切り粉)の排出性や剛性バランスを考慮した設計ができるかどうかも重要なポイントです。
そして3つ目はアフターサポート(修正・メンテナンス)の有無です。摩耗部品の交換対応や、ワークの仕様が変更になった場合の改修に柔軟に対応ができるかを確認してください。
マシニングセンタの精度や加工条件が整っていたとしても、治具の精度や保持力が不十分な場合、加工後の品質は低下してしまいます。この点から、マシニングセンタの性能を発揮させるには、自社の加工環境やワークの要求精度、生産計画に合った治具の選定や設計が欠かせません。外注を行う際には、現場の要件をしっかりと整理した上で、マシニング加工に対する深い知見や提案力、充実したサポート体制を持ったメーカーを選ぶことが大切です。
加工治具メーカーは、得意とする技術や提供する製品によって、解決できる課題が異なります。
ここでは、加工現場で抱えやすい課題や導入目的に合わせて、おすすめの治具メーカー3社を紹介します。
引用元:株式会社グローバル公式サイト
(https://www.landingpage-synergy.com/Sp6X7DKw/)
引用元:イマオコーポレーション公式サイト
(https://www.imao.co.jp/products/pullfix.html)
引用元:コスメック公式サイト
(https://www.kosmek.co.jp/products/robot/)