製品の表面処理として欠かせないめっき加工。その品質と生産性を左右するのが「めっき加工用治具」です。
本記事では、めっき加工用治具の役割、加工方式別の特徴、製作依頼時のポイントなどを、わかりやすく解説します。
めっき加工中に加工対象物(ワーク)を固定し、電流を供給するための導電性治具です。製品表面に均一な膜厚を形成するためには、治具による確実な保持と通電が欠かせません。また、治具への段取り作業が品質とコストに直結するため、加工内容に応じた設計が求められます。
製品を1点ずつ治具に引っ掛けて固定し、静止状態で処理する方式です。接触傷や変形のリスクが少ないため、意匠部品や大型製品などに適しています。塗装治具と同様に製品保持の工夫が品質に直結するため、把持部位の設計が重要です。
小型部品を通電性の容器(バレル)にまとめて投入し、撹拌しながら一括処理する方法です。ネジや端子などの大量処理に適し、省人化とコスト低減が可能です。ただし製品同士が接触するため、塗装治具のような接触防止構造は存在しません。
ワークを金網製のバスケットに入れて処理する方式で、ラックとバレルの中間的な方法です。バレルで絡まりやすい製品や、治具跡を避けたい中小部品に適しています。塗装治具における「非接触固定」に通じる設計意識が求められます。
リール状に巻かれた連続帯材に連続処理を行う方式です。電子部品のリードフレームなどに用いられ、自動プレスラインとのインライン化が可能。塗装治具のような個別段取りは不要で、高速・連続処理に特化した方式といえます。
治具によって製品を安定保持することで、膜厚の均一化や外観品質のばらつきを抑制できます。塗装治具と同様、作業者の熟練度に依存せず一定品質が保てます。
バレルやフープ方式では段取り工数が少なく、処理量も多いため、大幅な省人化とコスト削減が可能です。塗装治具の自動搬送設計に通じる生産効率化が実現します。
治具跡が残ってしまうデメリットは、塗装治具においては共通する課題であり、把持位置の設計が品質に影響します。たとえば、ラックめっきでは製品を把持する部分にめっきが付着しにくく、治具跡として残ることがあります。
バレルやカゴ方式では、部品同士の接触によりキズや打痕が発生する恐れがあります。複雑形状の部品ではめっきムラも生じやすく、塗装治具のような個別保持が困難です。
ワークと治具を薬液に浸漬するための装置。材質はFRPや塩ビライニング鉄製が一般的であり、塗装治具と同様、耐薬品性や液温管理が重要です。
電気めっき用に直流電流を安定供給する機器で、電圧・電流制御により膜厚や品質を左右します。塗装治具にはない通電装置特有の制御設備です。

電子基板用めっき加工用治具に厚膜フッ素樹脂コーティングを施した事例です。従来の塩ビ被膜に比べて耐薬品性と耐久性が向上し、液だれ防止や治具寿命の延長に効果を発揮しています。
めっき加工用治具の素材には銅やステンレスが使われ、必要に応じて絶縁コーティングを施します。製作においては、導電性・耐薬品性・着脱性がとくに重要です。塗装治具と同様、段取り性や耐久性を考慮し、作業ミスや品質不良のリスクを最小限に抑える設計が求められます。
なお、切削加工、研削・研磨加工、放電加工など、加工方法によって、必要な治具の素材や性能は異なります。そこで、本メディアではそれぞれの加工法に対応した治具メーカーを3社厳選してご紹介しています。おすすめの理由や事例もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
加工治具メーカーは、得意とする技術や提供する製品によって、解決できる課題が異なります。
ここでは、加工現場で抱えやすい課題や導入目的に合わせて、おすすめの治具メーカー3社を紹介します。
引用元:株式会社グローバル公式サイト
(https://www.landingpage-synergy.com/Sp6X7DKw/)
引用元:イマオコーポレーション公式サイト
(https://www.imao.co.jp/products/pullfix.html)
引用元:コスメック公式サイト
(https://www.kosmek.co.jp/products/robot/)