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加工治具の製作メーカーとつながるメディア│Jigverse(ジグバース) » 塗装治具とは?活用メリットや種類、治具製作のポイントまとめ

塗装治具とは?活用メリットや種類、治具製作のポイントまとめ

目次

塗装治具は、量産現場での塗装品質を安定させ、生産効率を高めるために用いられる補助器具です。

本記事では、塗装治具の基礎から製品事例、導入時のポイントまで網羅的に解説します。

塗装治具とは?

塗装工程において加工対象物(ワーク)を保持し、効率的かつ均一に塗装を行うために用いられる補助治具です。塗装治具を適切に使用することで、塗膜の品質安定、作業効率の向上、異物混入の防止といった効果が期待されます。

代表的な塗装加工治具の
種類

ハンガー治具

製品を吊り下げて固定し、塗り回りと膜厚の均一性を確保するための治具です。代表例は、ハンガーフック、回転機構付き治具、搬送一体ハンガーなど。フックや専用ハンガーに回転・反転機構を組み合わせて、塗装中も決めた位置と向きを保ちます。

マスキング治具

塗装不要部を確実に覆い、ねじ部や嵌合面などの機能面への塗着を防ぐための治具です。代表例は、シリコンキャップやプラグ、耐熱テープ、差し込み/載せ替え式の専用マスクプレートなど。着脱しやすく、熱や溶剤に耐え、寸法変化が少ない材料を用いることで、繰り返し使用とタクト安定に寄与します。

塗装治具が用いられる
主な加工方法の種類

粉体塗装(パウダーコーティング)

粉末状の塗料をワークに静電気で付着させた後、加熱して塗膜を形成する方式です。溶剤を使わないため作業環境にやさしく厚膜・高耐久な塗装が可能です。鉄鋼製品や家電部品などに広く利用されています。

電着塗装(カチオン電着)

水溶性塗料の中にワークを浸漬し、直流電流を用いて塗料粒子を電着させる方法です。複雑な形状の内部まで均一に塗膜が形成されやすく防錆性に優れるため自動車部品などに採用されています。

静電塗装(静電スプレー)

高電圧で帯電させた塗料を、アース接地されたワークに静電気の力で引き寄せる方式です。ミストの付着効率が高く、塗料ロスを抑えつつ均一な仕上がりが得られるという利点があります。

焼付塗装

塗装後に高温で加熱して塗膜を硬化させる工程です。粉体塗装やウレタン塗装と組み合わせて使われることが多く、塗膜の耐久性や耐熱性を向上させたい場合に用いられます。

塗装治具を取り付ける
主な機械・設備

塗装ブース

作業空間における塗料ミストの飛散を防ぐ密閉型の作業室です。排気・集塵機能により作業環境の安全性を確保し、塗装治具に取り付けたワークの塗装も安定して行えます。

乾燥炉(焼付炉)

塗装後のワークを一定温度で加熱し、塗膜を乾燥・硬化させる装置です。粉体塗装や焼付塗装では必須であり、治具ごと炉内に投入されることを前提に設計されます。

静電スプレーガン

塗料に静電気を帯びさせて吹き付けるスプレー装置です。塗装治具によってワークが固定されることでスプレーガンの効果を最大限に引き出すため、塗膜の均一化が可能になります。

搬送コンベア

塗装ライン上で治具ごとワークを連続搬送するための装置です。オーバーヘッドタイプの吊り下げ搬送が一般的で、塗装・乾燥の各工程をシームレスに接続します。

塗装治具の製品例

アミソーの塗装治具イメージ
引用元:アミソー
(https://amiso.jp/2024/03/07/3216/)

自動車部品などの塗装ラインに対応した軽量吊り下げ式の塗装治具です。1台で2個のワークを固定可能。全長約1,000mm、重量1.7kg以下と軽量設計が施されています。部品点数を最小限に抑え、現場での段取りや搬送負担を軽減する設計になっています。

参照元:アミソー(https://amiso.jp/2024/03/07/3216/)

塗装治具は自作できる?

簡易な塗装治具であれば、市販の金具や鋼材を使って自作することは可能です。たとえば、DIY用途や単品試作であれば、回転台や簡易ハンガーなどを組み合わせて対応できます。

ただし、量産現場では塗装品質の安定性や耐久性、安全性が求められるため、専用設計された塗装治具の使用が一般的です。治具の構造や素材、着脱性などは工程ごとに最適化される必要があるため、専門メーカーへの相談が推奨されます。

塗装治具のよくある
トラブルと解決法

フックの折損によるライン停止

一体型ハンガー治具では、繰り返し使用によりフック部が変形・折損しやすく、ショットブラストや剥離処理時に脱落するケースがあります。

フック部分を交換式にした「フレキシブルハンガー」に切り替えることで、破損時も部分交換が可能となり、治具の長期運用が容易になります。

ネジ穴のマスキングに時間がかかる

焼付塗装前にボルトをねじ込んでネジ穴を保護する方法では、着脱に時間がかかり、塗膜盛りや割れのリスクも生じます。

耐熱性のシリコン製「ツバ付きマスキングプラグ」に置き換えると、差し込み・引き抜き作業で済むため、作業時間が短縮されます。周囲の塗膜厚も安定し、バリや割れの発生を抑える効果が見込めます。

塗装治具製作のポイント

塗装治具の製作では、「軽量化」「着脱性」「耐久性」の3点が重要です。まず、作業者の負担軽減や搬送効率を考慮し、可能な限り軽量設計とします。そのうえで、ワークの脱着がスムーズに行える構造を設けることで、段取り時間の短縮が図れます。

また、塗装ブースや乾燥炉での高温使用や溶剤接触を想定し、耐熱性・耐薬品性に優れた素材を選定することも欠かせません。治具全体の剛性と保守性をバランスよく確保することが、長期的な運用と品質安定につながります。

なお、切削加工、研削・研磨加工、放電加工など、加工方法によって、必要な治具の素材や性能は異なります。そこで、本メディアではそれぞれの加工法に対応した治具メーカーを3社厳選してご紹介しています。おすすめの理由や事例もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

【加工方法から選ぶ】
加工治具メーカーおすすめ3選を見る

【課題・目的別】
治具関連メーカー3社

加工治具メーカーは、得意とする技術や提供する製品によって、解決できる課題が異なります。
ここでは、加工現場で抱えやすい課題や導入目的に合わせて、おすすめの治具メーカー3社を紹介します。

切粉の詰まりや
ワークのビビリ・歪みを
防ぎたい

グローバル

グローバル

引用元:株式会社グローバル公式サイト
https://www.landingpage-synergy.com/Sp6X7DKw/

グローバルの強み
  • ひずみ・浮き上がり・重量物の位置決めなどに対応し、加工中の変形や位置ずれによる不良・手直しを抑える。
  • ワークの保持角度や治具の形状・傾斜を工夫し、切粉が詰まらずに自然に流れる構造を設計可能。
  • 設計から据付・試削り、導入後の改善まで一貫対応し、導入までスムーズに進められる。

切粉・ビビリ・歪みに対応する
治具設計を公式HPで確認

治具交換・芯出しを
効率化したい

イマオコーポレーション

イマオコーポレーション

引用元:イマオコーポレーション公式サイト
https://www.imao.co.jp/products/pullfix.html

イマオコーポレーションの強み
  • 横から締めるだけで治具を交換でき、外段取り化により加工機の停止時間を減らして稼働率を高める。
  • 5μmの繰り返し位置決め精度で芯出しを不要にし、交換後の再調整と作業者による精度差を抑える。
  • 治具やプレートの大きさに合わせて配置でき、多品種少量生産の治具切り替えを効率化し、段取り時間を短縮する。

段取り改善の根拠を
公式サイトで確認

固定・搬送・治具交換を
自動化したい

コスメック

コスメック

引用元:コスメック公式サイト
https://www.kosmek.co.jp/products/robot/

コスメックの強み
  • ロボットハンドやホールグリッパで搬送・固定を自動化し、ワークの投入・取り出しにかかる人手を減らす。
  • 位置決め・クランプ・動作確認を組み合わせ、固定ミスや確認漏れによる不良・設備停止を抑える。
  • ハンドチェンジャーやパレットクランプで治具・ツール交換を自動化し、少ない人員でも複数品種を連続生産しやすくする。

自動化対応の根拠を
公式サイトで確認