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機械加工に欠かせない「治具」の種類を分かりやすく丁寧に解説!

目次

本記事では、治具を使用するタイミング、役割、治具を取り付ける設備などのカテゴリごとに、主要な治具の種類を整理しました。導入・選定時に重視すべきポイントについても解説しています。

製造工程を支える
治具とは?

加工・組立・検査などの作業時に位置・角度を固定し、工具や測定機のガイドを行う補助装置です。治具を用いることで、作業の再現性が高まり、段取り時間が短縮され、安全性も向上。不良率の低減や生産ペース(タクト)の安定化、教育コストの抑制も期待できます。

治具の種類と代表的な分類

治具は、「加工」「組立」「検査」「表面処理」「その他補助」という5つの製造工程に分類できます。ここでは、工程別に代表的な治具の種類をまとめました。

加工治具

多点固定による同時加工用の複合治具
引用元:精密金属加工コストダウンセンター.com
(https://www.metal-machining-costdown.com/example/detail.php?blog_id7=143)

切削・穴あけ・曲げ・圧入などの工程でワークを安定保持する治具です。工具の向き・深さ・角度を一定に保つことで、寸法ばらつきを抑えながら再現性を確保。生産形態を問わず、段取り時間のブレを減らせます。

切削治具

フライス盤やマシニングセンタで切削加工を行う際に、ワークを確実に固定する治具です。代表例はステップクランプ、マシンバイス、真空チャックなど。寸法の安定化や加工ばらつきの低減、段取りの効率化につながります。

穴あけ用治具

ガイドブッシュによりドリルの位置・角度・深さを制御し、穴位置の精度を安定させる治具です。ガイドブッシュ付きドリルプレートや押さえ具付き穴あけ治具があり、ケガキ不要・タクト短縮などの効果が見込めます。

曲げ用治具

板金やパイプを決めた角度やR形状に曲げる際、支持と押圧の位置を安定させる治具です。曲げ加工用治具やR曲げ用型を使い、複雑な曲げ形状の再現と角度ばらつきの抑制を図ります。

カシメ用治具

リベットやブッシュなどの圧入・カシメを、一定荷重でまっすぐに行うための治具です。プレス用のカシメ用治具や位置ガイド付きのカシメ用治具があり、傾きや打痕を防ぎ、嵌合品質と歩留まりの安定に貢献します。

引抜・挿入治具

ピンやブッシュの引抜・挿入時に同軸性を維持し、ワークや周辺構造の損傷を防止する治具です。プーラーやスライドガイド付き治具などが用いられ、破損リスクの低減と再作業の抑制に役立ちます。

加工治具について詳しく見る

組立治具

±0.01mm精度を実現した校正用位置決め治具イメージ
引用元:精密部品加工センター.com
(https://fa-parts-machining.com/products/products108/ )

ワーク同士を正しく組み付ける工程で使う補助治具です。複雑化してもずれや締結ミスを防げるため、作業結果のばらつきを抑えられます。 とくに、位置決め機能や手作業を支える機能を備えた治具は、作業者の熟練度に左右されない品質確保に有効です。

位置決め治具

基準面や基準穴に合わせて、ワークの位置と向きを決める治具です。代表例はピン位置決めブロック、基準ブロック、Vブロックなど。組付けの基準を素早く再現し、作業のばらつきを抑えます。

位置固定治具

位置を決めたワークの位置と向きを確実に固定する治具です。代表例はワンタッチクランプ台、トグルクランプ、油圧・空圧クランプなど。ねじ締めや圧入時のずれを防ぎ、手戻りや不良の発生を抑えます。

組付け支援治具

ねじ締めや圧入などの操作で、向きや角度を安定させる治具です。角度調整台や支持アーム付き台を用いることで複雑形状にも対応しやすくなり、作業負荷の軽減と標準化に役立ちます。

組立治具について詳しく見る

検査治具

情報通信業界用 検査治具部品(メインプレート)
引用元:精密部品加工センター.com
(https://fa-parts-machining.com/products/p096/)

ワークの寸法や機能を確認する際に、測定・検査の精度と再現性を高めるために用いる治具です。工程内検査から出荷検査まで、幅広く活用されています。

量産品では、誰が測っても同じ結果になるよう、ワークを決めた位置と向きに固定し、計測機器との整合を確保する工夫が欠かせません。

寸法検査治具(ゲージ類)

穴径・ピッチ・位置関係の適合を短時間で判定するための治具です。ゲージプレート、ピンゲージ、Vブロック付きダイヤルゲージ固定台などを用いることで合否判定を迅速化し、ヒューマンエラーを抑制できます。

機能検査治具(圧力・通電)

通電・圧力・リークなどの機能を、必要な位置と向きを保ったまま検査できる治具です。代表例は、基板用テストフィクスチャやリークテスト治具など。検査の再現性を高め、品質保証の精度確保に貢献します。

検査治具について詳しく見る

表面処理治具

アミソーの塗装治具イメージ
引用元:アミソー
(https://amiso.jp/2024/03/07/3216/)

塗装やめっきなどの仕上げ工程で使う治具です。対象物を均一に処理できる位置と向きで固定し、必要に応じて通電・液保持・マスキングも担います。

量産現場では、治具ごと搬送・乾燥を行う運用が一般的。処理品質だけでなく作業効率にも影響を与える重要な装置です。

塗装治具(吊り具等)

塗りムラや塗り残しを避けるため、ワークの向きと位置を制御し、搬送と一体で運用する治具です。代表例はハンガー式吊り具や回転(反転)機構付き治具など。

粉体塗装では、導電性を確保する接触点の設計と清掃性が重要です。ねじ部や嵌合部はシリコンキャップや耐熱テープでマスキングすることで、仕上がりと再現性が高まります。

めっき治具(液保持・通電)

めっき槽内でワークの位置を安定させ、電流の流れ(導通経路)を確保する治具です。めっきハンガーやクリップ保持治具を用いて電流分布を均し、皮膜の均一化を狙います。

材料は通電部にチタン・銅系や耐食性SUS、絶縁・液切り用に樹脂部材を組み合わせるのが一般的。ガス抜き・液切れを考慮した形状にすると、歩留まりの安定に寄与します。

塗装治具について詳しく見る

めっき加工用治具について
詳しく見る

その他補助治具

セット治具(パレット治具)イメージ
引用元:渡辺精密工業
(https://wsl-g.co.jp/products/processing-jig/)

加工・組立・検査といった直接工程ではなく、段取り・搬送・変形防止などの間接作業を支える治具です。ワークそのものには手を加えず、ライン全体の効率・安全性・再現性を底上げします。

セット治具(ワーク着脱・搬送支援)

基準面や基準穴の再現性を活かして、工程間の受け渡しを迅速化する治具です。代表例は搬送用パレット一体型やピックアップガイド。段取り時間を短縮し、前後工程の整合性を保てます。

熱処理治具(変形防止・配置制御)

高温処理中の反りや歪みを抑え、冷却後の寸法を安定させる治具です。耐熱合金製の保持フレームや姿勢固定トレイを用いて支持点・当て面を最適化することで、後工程の手直しを減らせます。

治具の種類と用途別の整理

治具は製造工程、動作機能、使用機械といったさまざまな視点から分類でき、視点を変えれば治具の要件設計の優先順位も変わってきます。

以下では、「加工工程」「機能・動作」「機種・工具」という3つの軸に沿って、代表的な治具とその用途を体系的にまとめました。

加工工程別にみる治具の種類

切削 マシンバイス、ステップクランプ、真空チャック、角度プレート
穴あけ ガイドブッシュ付き穴あけ治具、押さえ具付きドリルプレート、位置決めガイド
曲げ 曲げ加工用治具、R曲げ用型、支持ブロック
圧入・カシメ プレス用カシメ用治具、位置決め付きカシメ用治具、荷重管理ガイド
研磨 姿勢固定台、Vブロック+クランプ、平面基準プレート
熱処理 耐熱保持フレーム、反り防止支持治具、配置トレイ
溶接 ロボット溶接治具、仮付け治具、直角出しフレーム

機能・動作別にみる治具の種類

位置決め・芯出し系 位置決めピン、センター出し治具、基準ブロック
クランプ系 トグルクランプ、内径クランプ、薄板対応クランプ
固定・保持系 位置固定治具、ワーク固定台、Vブロック
回転・角度調整 角度割出台、回転治具、反転治具
吊り上げ・搬送 吊り治具、パレット一体治具、リフティングアタッチメント
挿入・抜き・圧入 カシメ用治具、プーラー治具、Oリング挿入ガイド
寸法測定 検査治具、ダイヤルゲージ固定台、振れ測定用Vブロック
試験 引張試験治具、曲げ試験用治具、リークテスト治具
電気検査 コンタクトプローブ、導通検査治具、基板用テストフィクスチャ

機種・工具別にみる治具の種類

マシニングセンタ 油圧・空圧クランプ、マシンバイス、交換式カセット治具、真空チャック
旋盤 三つ爪/四つ爪チャック、チャック、ソフトジョー、振れ止め(ステディレスト)
フライス盤 角度割出台、Vブロック、段取りプレート
ボール盤 ブッシュ付き穴開き治具、押さえ具付き治具
三次元測定機(CMM) 測定用固定ベース、クランプキット、姿勢変更プレート
溶接設備 ロボット溶接治具、位置決めフレーム、仮付け治具
表面処理設備(塗装・めっき) 塗装ハンガー、回転機構付き治具、めっきハンガー(通電・液保持)
プレス・カシメ設備 カシメ用治具、荷重管理ガイド、位置決めブロック

治具製作におけるポイント

誤った固定や設計不備は作業事故や品質不良につながるため、ワークに応じた剛性・保持力を確保することが欠かせません。しかし、社内だけで要件を出し切るのは負荷が大きいため、早い段階で専門メーカーに委託し、要件定義から並走してもらうのが得策です。

発注側は「何を達成したいか」と「現場条件」を簡潔に共有し、以降の具体設計はプロに任せましょう。設計者とは、基準の取り方(位置と向き)と固定方法、要件の優先順位をすり合わせることで、精度・安全・立ち上げスピードの両立が図れます。

なお、切削加工、研削・研磨加工、放電加工など、加工方法によって、必要な治具の素材や性能は異なります。そこで、本メディアではそれぞれの加工法に対応した治具メーカーを3社厳選してご紹介しています。おすすめの理由や事例もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

【加工方法から選ぶ】
加工治具メーカーおすすめ3選を見る

加工方法から選べる
おすすめの
加工治具メーカー3選
切削加工業者
向け

グローバル

グローバル

引用元:グローバル公式サイト
(https://www.landingpage-synergy.com/Sp6X7DKw/)

グローバルの強み
耐久性のある治具を
オーダーメイドで製作できる

切削加工の分野において、設計からアフターケアまで一括請負。
自動車業界や海洋機器・エンジン関連分野で使用する製品や部品製作の分野で大手企業から指名される実力を持つ。

切削時の課題に合わせた設計で
精度不良を防止

切削加工で課題となる切粉の堆積や加工応力によるワークの歪みに対し、排出性を考慮した構造設計や重量に応じたクランプ設計が得意。精度不良を抑制する治具の提案もできる。

グローバルの公式HPで
治具についてもっと見る

研削・研磨加工業者
向け

三和クリエーション

三和クリエーション

引用元:三和クリエーション公式サイト
(https://www.sanwa-creation.co.jp/)

三和クリエーションの強み
微細加工の経験を
活かした技術力

硬質素材や難削素材を超精密・微細加工する技術を提供してきた会社。特に精度への要求が高い研削・研磨加工において知見と技術力を持つことから、「磨く」ことに特化した治具製作を任せられる。

耐摩耗性のある
ダイヤモンド製の治具を提供

超硬合金製よりも耐摩耗性が高いとされるダイヤモンド製の治具を製作。
ダイヤモンドの特性上、潤滑油などを使用しなくて済むため、給油ユニット、油のメンテナンス不要で使える。

三和クリエーションの公式HPで
治具についてもっと見る

放電加工業者
向け

榮製機

榮製機

引用元:榮製機公式サイト
(http://www.sakae-seiki.co.jp/)

榮製機の強み
精密加工向けでありながら
最大70kgまでのワークにも対応

ワイヤー放電加工で使用する精密バイスやワイヤーカット治具の製作が得意
最大70㎏までの重量のワークに耐えうる治具の製作も手がける。

金型事業の知見を
もとにサポート可能

金型事業も行っていることから、ワイヤー放電加工における金型製作用の精密治具製作が強み
要望を受けてから綿密な情報収集を行い、新製品開発における治具製作をサポートできる。

榮製機の公式HPで
治具についてもっと見る

参照元:榮製機公式サイト
(http://www.sakae-seiki.co.jp/neotec_detail.php?neotec_cd=64)